皆さんはお子様の姿勢を気にしたことはありますか?
勉強をしている時、テレビを見ている時、ご飯を食べている時など、
子どもの姿勢を気にかけてあげられるタイミングはお家の中でも多くあると思います。
特に今の子どもたちは、私たちが子どもだった頃に比べ、
● 重たいランドセルやカバンを背負っての登下校。
● スマホやゲーム機の充実による長時間の同じ姿勢。
● 公園や自然の減少による運動不足。 など。
多くの問題があり、姿勢が悪くなる条件がそろっています。
また大人に目を向けても、背中が曲がって歩いている人、猫背になってスマホを触っている人を多く見かけます。
大人になってから、デスクワークなどにより姿勢が悪くなった場合は改善も見込めますが、子どもの頃から姿勢が悪かった場合、筋肉の付き方・骨の成長などもあり良い姿勢に戻らない場合もあります。
小さいころから姿勢が崩れている程、大人になった時の症状はひどく、背骨が横に曲がって肩の高さが違ったり、脚の長さが違ったり、背筋を伸ばしても顔が前に出たストレートネックだったりと、見た目でも良いことはありません。
そしてこの姿勢の悪さを代表する猫背は、人間の進化を逆行し、まさに退化している状態になります。
人間以外の動物は、肩甲骨が背中ではなく、身体の横についています。
人間は手の自由度を上げるために肩甲骨と鎖骨が発達。特に物を投げるためにどんどん肩甲骨が後ろに向かい、腕力ではなく遠心力を使って投げられるように進化したと考えられています。
また、人間は脳の大きさも他の動物に比べて大きく発達しています。
特に手を動かすために使う範囲がとても広く、指先を使った細かい作業は人間特有のものです。
猿やチンパンジーも物を投げたり手を器用に使いますが、人間ほど肩甲骨や脳が発達していないため、物を遠くに投げたり、細かい作業をすることは人間より劣ってしまいます。
そして、人間は直立2足歩行のため、他の動物と比べて脳が高いところに位置しています。
このため、酸素や栄養を送る血液の循環がとても大切になります。
猫背になると首が前に傾き頭が前に出るため、脳に向かう太い血管を圧迫し、脳の血液循環を悪くしてしまいます。
その結果、集中力や記憶力・計算力の低下など、脳の機能低下を引き起こします。
今の子どもたちの運動能力や学力の低下が多くの地域で見られているのは、この猫背も少なからず影響しているのではないかと思われます。
次に子どもの成長に関してですが、姿勢が崩れることで血流が悪くなるのは脳だけではありません。
猫背は、背中が丸くなることで肩が巻いてしまい、大胸筋など胸の筋肉が硬くなります。
腕に向かう血管は首から鎖骨や胸の筋肉の下を通るため、猫背の場合この腕に向かう血管が首の筋肉・鎖骨・胸筋に圧迫され、骨や筋肉に十分な酸素や栄養が行渡らなくなります。
また脚に関しても、猫背になると骨盤が後ろに倒れるため、本来は座った際に坐骨で支える体重がお尻の筋肉で支えなければならないため、筋肉が硬くなり、お尻から脚に向かう血管が圧迫されてしまいます。
また立っている際も、骨盤の後傾は踵に体重がかかりやすくなり、太ももの裏やふくらはぎの筋肉が硬くなるため、足に血流が行渡らない状態となります。
さらに、踵に体重がかかり続けることは、足の指が使えない状態で浮指などの症状も引き起こし、足の機能低下や足の指の変形にも繋がります。
そして、成長を妨げる要因は血流だけの問題ではありません。
猫背は胃や腸の消化活動にも悪影響を及ぼします。
猫背になることで潰れたお腹に圧迫された胃や腸は本来の消化活動ができなくなります。
消化ができないと栄養も吸収できないため、成長するための栄養が身体全体に行渡りません。
成長期を終えた後、姿勢を改善することができても、身長が成長期のように伸びることはありません。
子どもの成長は今がとても大切になります。
また、猫背は身体の回復や精神面にも影響を与えます。
猫背によってお腹が潰れている状態では、横隔膜を下げることができないため、肺が膨らまず呼吸も浅くなってしまいます。
呼吸が浅くなると、酸素が足りなくなることで身体が回復せず、疲れが溜まりやすくなります。
リラックスできないため、副交感神経が働かず内臓の活動が低下し、交感神経が優位になることでイライラしやすくもなります。
交感神経や副交感神経のバランスが取れなくなると、ひどい場合には自律神経失調症となってしまうこともあります。
自律神経失調症は
情緒不安定や被害妄想・うつ病などの精神的な症状と
吐き気や頭痛・立ち眩みや動悸、生理不順などの肉体的な症状をい引き起こします。
身近によく見るもので、肩や首が凝るくらいなものだろうと見られがちな猫背ですが、
一次的な疲れによるものと、習慣的に身についてしまった姿勢では、同じ猫背でも大きく違いがあります。
特に、今の子どもたちを取り巻く環境は、猫背になりやすい条件がたくさんそろっていて危険です。
そして子どもの場合は大人と違い、自分で意識することができません。
これが何より怖いところで、意識しようとしても姿勢を良くするための筋肉の使い方がわからないため
≪必要な筋肉に刺激を与えること≫
≪自然と良い姿勢が取れるように整えてあげること≫
がとても大切です。
今日、子どもの姿勢をみて、
「猫背になっているかな?」「傾いているかな?」と感じたら、お気軽にご相談ください。
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